今回紹介するエイダコイン(ADA)は、カルダノ(Cardano)という
ブロックチェーンプラットフォームのネイティブ暗号資産(仮想通貨)です。
DApps(分散型アプリケーション)を開発できるブロックチェーンプラットフォームは、
イーサリアムをはじめ多数存在しますが、その中でもカルダノ(Cardano)は人気が高く
時価総額ランキングでは7位に位置しています。
今回は、そんなエイダコイン(ADA)、カルダノがもつ特徴や、
将来性について解説いたします。
エイダコインとは(ADA)
名称 | エイダコイン/ADA |
ローンチ | 2017年9月 |
発行枚数 | 450億枚 |
公式サイトURL | https://cardano.org/ |
取扱い取引所 | bitbank BITPOINT |
エイダコイン(ADA)は2017年9月にローンチされ、
開発者はイーサリアムの共同創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏です。
カルダノはDAppsの開発プラットフォームであり、
第一世代のビットコイン、第二世代のイーサリアムに続いて
第三世代ブロックチェーンを目指しています。
エイダコイン(ADA)が持つ特徴
スマートコントラクト対応
カルダノは2021年9月、大型のアップデート「Alonzo」を行い、
独自のスマートコントラクト「Plutus(プルータス)」を実装しました。
スマートコントラクトとは、特定の条件が満たされた場合に
自動的にトランザクションを実行する仕組みの事です。
これにより、カルダノのブロックチェーン上で、DeFi(分散型金融)やNFT、
DAppsの開発が可能になりました。
また、カルダノはスマートコントラクトの実装で、
イーサリアムと競争できる可能性を持つようになりました。
高いスケーラビリティ
カルダノはHydraというレイヤー2(セカンドレイヤー)ソリューションをローンチしました。
レイヤー2ソリューションとは、メインのブロックチェーン以外(レイヤー2)で
トランザクションを処理することで、メインのブロックチェーンでの
処理スピード向上を図る技術です。
これによりスケーラビリティが高まり、理論上では
1秒あたり100万件のトランザクション処理も可能とされています。
コンセンサスアルゴリズムOuroboros(ウロボロス)
カルダノは独自のコンセンサスアルゴリズム「Ouroboros(ウロボロス)」
を採用しています。
Ouroboros(ウロボロス)はプルーフ・オブ・ステーク(PoS)方式で
ビットコイン(BTC)のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)と異なり、
電力消費を大幅に削減できます。
そのため、カルダノはエネルギー消費が少なく効率の良い
環境にやさしいブロックチェーンとなっています。
この特徴は、今後環境問題が問題視される中で、大きく評価されていくでしょう。
学術的研究に基づく開発
カルダノは開発の際、学術論文のピアレビュー(審査)を受けるプロセスを採用しており、
信頼性の高いアルゴリズムとプロトコルを実装するために
世界中の研究者や学者が技術を精査している。
実際に、「Ouroboros」や「Hydra」について学術論文が発表されており、
ブロックチェーン技術の発展に大きく貢献しています。
これにより、カルダノは高い信頼性と安全性を証明でき、
今後のブロックチェーン業界での地位をさらに強化する可能性があります。
エイダコイン(ADA)の用途
カルダノブロックチェーンの基軸通貨であるエイダコイン(ADA)には
さまざまな用途があります。
取引手数料の支払い
エイダコイン(ADA)は、カルダノのブロックチェーン上で取引を行う際の
手数料(ガス代)として使用されます。
主に、送金やスマートコントラクトの実行時に手数料として支払うのですが
これはイーサリアムの手数料と比べ、非常に安価となっています。
ステーキング(Staking)
エイダコイン(ADA)は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の仕組みを採用しており、
保有しているだけでステーキング報酬を得ることができます。
ビットコイン(BTC)のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の場合は、
高性能なマイニング機器が必要ですが、
エイダコインの場合はウォレットにADAを預けるだけでOKです。
スマートコントラクトの実行
前述した大型のアップデート「Alonzo」により、
カルダノはスマートコントラクト対応になりました。
これにより、カルダノ上のDApps(分散型アプリケーション)や
DeFi(分散型金融)での取引でエイダコイン(ADA)が利用されるようになりました。
またNFT(非代替性トークン)の発行・売買にも利用可能です。
投票権
カルダノは、DAO(分散型自律組織)の仕組みを導入しており、
エイダコイン(ADA)の保有者がネットワークの意思決定に投票することができます。
これにより、プロジェクトの開発方針やアップデートの提案に対する投票が可能となり
カルダノの未来に関与する事が出来ます。
国際送金・決済手段
カルダノの低コストかつ高速な処理性能により、エイダコイン(ADA)は
国際送金に活用できます。
エイダコイン(ADA)を利用する事で、銀行を介さずに直接送金できるため
従来の国際送金よりも低いコストで送金を行なえます。
また送金速度も速く、数秒〜数分で取引が完了します。
エイダコイン(ADA)の今後
エイダコイン(ADA)ロードマップ
カルダノは現在、5つのフェーズからなるロードマップに沿って、
開発を進めています。
カルダノのロードマップ(開発段階) |
---|
Byron:基盤の構築 |
Shelley:分散化 |
Goguen:スマートコントラクトの実装 |
Basho:スケーラビリティと相互運用性の強化 |
Voltaire:完全な分散型ガバナンス |
各フェーズには明確な目標があり、カルダノの進化とともに新機能が追加されていきます。
開発段階 | ロードマップの主な目標 |
---|---|
Byron | ・カルダノブロックチェーンの誕生 ・エイダコイン(ADA)のローンチ |
Shelley | ・プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の導入 ・ネットワークの分散化を進め、中央集権からの脱却 |
Goguen | ・スマートコントラクト機能の導入 ・分散型アプリケーション(dApps)の開発が可能に ・DeFi(分散型金融)やNFT市場での活用がスタート |
Basho | ・トランザクションの高速化と手数料の最適化 ・他のブロックチェーンとの相互運用性の向上 |
Voltaire | ・分散型ガバナンスシステムの確立 |
カルダノのロードマップは現在、フェーズ4のBashoまで進行中となっています。
カルダノは、ロードマップの各段階を完了するたび成果をあげており、
これにより、信頼性の向上やサービス拡大に繋がっています。
DeFi分野での拡大
カルダノは、スマートコントラクト機能を搭載したブロックチェーンとして、
DeFi(分散型金融)分野でも急速に成長を遂げています。
イーサリアムと比べて手数料が安く、スケーラブルな設計が特徴であり、
多くのDeFiプロジェクトが開発・運用されています。
主なDefiプロジェクト | 内容 |
---|---|
Minswap | カルダノ最大のDEX(分散型取引所) 低コストでのスワップ(トークン交換)が可能 |
SundaeSwap | AMM(自動マーケットメイカー)型のDEX |
MELD | レンディング ADAを担保に資産を借りることが可能 |
今後カルダノのDeFiエコシステムがさらに成長していく事で、
カルダノDeFiはイーサリアムの代替候補としてさらに注目される可能性が高い です。
ステーブルコインの発行
2023年1月、カルダノのブロックチェーンでステーブルコイン「Djed」が
開発されました。
「Djed」はADAを担保にして価格を安定化させており、
スマートコントラクトで管理されているので、
中央集権的な管理者がおらず、透明性が高いのが特徴です。
またカルダノはもうひとつのステーブルコイン「USDA」を開発しています。
「USDA」は米ドルと直接連動しているため、「Djed」よりも価格が安定します。
この新しく導入されたステーブルコインが、DeFi(分散型金融)やNFTマーケットプレイスで
活用されることで、カルダノのエコシステムが成長し、
ステーブルコインの需要が拡大するでしょう。
実世界での活用拡大
カルダノは、政府や企業との提携を進めており、
実世界での活用が拡大していってます。
- エチオピア政府との提携(教育分野)
500万人以上の学生の学歴証明をカルダノブロックチェーンに記録するプロジェクト。
カルダノは複数の企業と提携し、ブロックチェーン技術の活用を推進しており、
サプライチェーン管理、デジタルID管理、医療データ管理など、多くの分野で利用が進んでいます。