ビットコイン、イーサリアムをはじめとした従来のブロックチェーンは
基本的に、外部データに直接アクセスすることができません。
その問題を解消したのが今回紹介する「チェーンリンク(Chainlink)」です。
今回はそんなチェーンリンクが持つ特徴や、基軸通貨「LINK」の将来性について
解説いたします。
チェーンリンク(LINK)とは
名称 | チェーンリンク(Chainlink)/LINK |
ローンチ | 2017年9月 |
発行枚数 | 10億枚 |
公式サイトURL | https://chain.link/ |
取扱い取引所 | Coincheck BITPOINT SBI VCトレード bitFlyer |
Chainlink(チェーンリンク) は、ブロックチェーンと外部データを安全かつ信頼性のある方法で接続する分散型オラクルネットワークです。
他のブロックチェーンには無い特徴を持っている事からチェーンリンクは需要が高く、
基軸通貨「LINK」は時価総額ランキングで11位に位置しています。
チェーンリンク(LINK)の特徴
分散型オラクルネットワーク
オラクルとは、ブロックチェーン外のデータをスマートコントラクトに提供する仕組みのことです。
ブロックチェーン上のスマートコントラクトは原則として、
外部データ(リアルタイムの価格情報、天気、スポーツの結果など)に直接アクセスできません。
ですがチェーンリンクを使えば、
従来のブロックチェーンでは取得できなかった
価格データ、天候データ、イベント結果などを
安全にブロックチェーンに供給することができるのです。
このオラクルネットワークには「中央集権型オラクル」と「分散型オラクル」があり、
チェーンリンクは分散型オラクルネットワークになります。
中央集権的型オラクルは単一のデータ提供者に依存する形になるので、
データが改ざんされるリスクや、1つの障害によってシステムが停止する危険性がありますが、
チェーンリンクの「分散型オラクル」は1つのオラクルではなく、
複数のオラクルからデータを取得するので、データの信頼性が非常に高いです。
異なるブロックチェーンの橋渡しが可能
現在、Ethereum(イーサリアム)、BNB Chain(バイナンス)、Solana(ソラナ)など、
多くのブロックチェーンが存在していますが、
異なるブロックチェーン間で直接データや資産をやり取りすることは困難です。
ですが、チェーンリンクのCCIP(クロスチェーン相互運用プロトコル)を
利用することで、異なるブロックチェーン間での
データ・トークン・メッセージのやり取りを安全に行うことができます。
安全で信頼性が高い
前述した通り、チェーンリンクは「分散型オラクル」なので、
単一のデータ提供者に依存することがなく、
複数からデータを取得します。
そのため、データが改ざんされるリスクや、
1つの障害によってシステムが停止する危険性がないので
安全に運用でき、信頼性を担保しているのです。
LINKトークンの活用
ここではチェーンリンクの基軸通貨LINKトークンが
どのように活用されているのかご紹介します。
オラクルノードの報酬(データ提供者への支払い)
チェーンリンクは、ブロックチェーン上のスマートコントラクトに
外部データを提供する分散型オラクル です。
そのデータ提供を行う「オラクルノード」(データ提供者)に
報酬としてLINKが支払われます。
報酬の流れ |
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①スマートコントラクトの開発者が、 データ取得のためにオラクルノードにLINKを支払う |
②オラクルノードは、外部データを取得し、ブロックチェーンに送信 |
③正確なデータを提供したノードは報酬を獲得 (不正なデータ提供者はペナルティ) |
LINKステーキング
チェーンリンクは2022年に「LINKステーキング」を導入しており、
オラクルノードは信用担保としてLINKをステーキングしています。
そして、不正なデータを提供するとペナルティとして
ステークしたLINKを没収される仕組みになっています。
この仕組みが不正行為を防ぎ、オラクルのセキュリティと信頼性向上に
繋がっているのです。
クロスチェーン取引(CCIPの手数料)
先ほど説明した通り、チェーンリンクは異なるブロックチェーン間の
相互運用を可能にする CCIP を提供しています。
このCCIPを利用する際に、手数料としてLINKが使用される ことがあります。
利用例 |
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・Ethereum → Polygon に資産を移動する際の手数料としてLINKを支払う |
・異なるチェーンのスマートコントラクト同士がメッセージをやり取りする際の支払い |
今後チェーンリンクの成長とともに、LINKトークンのユースケースがさらに拡大していくでしょう。
チェーンリンク(LINK)の今後
ブロックチェーンと現実世界をつなぐ
チェーンリンクは、ブロックチェーンの外部データを
スマートコントラクトに取り込むことができます。
これにより、ブロックチェーンを活用した新しいサービスが可能になります。
活用例 |
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スポーツの試合結果をオラクル経由で取得し、予測市場(ベッティング)を実行 |
保険契約に天気データを組み込み、異常気象による自動保険金支払いを実現 |
株式市場の価格データを取得し、オンチェーンで金融商品を作成 |
ブロックチェーンと現実世界をつなぐことで、チェーンリンクの活躍する
幅がさらに広がります。
企業や政府との提携
チェーンリンクは、ブロックチェーンの枠を超えて、企業や政府との連携も進めています。
SWIFT(国際銀行間通信協会)とは、
銀行システムとブロックチェーンをつなぐ実験を実施。
またチェーンリンクでGoogle Cloudが提供する
天気データの利用が可能になったりと、様々な分野で活用されており、
将来的に、金融・保険・物流などの実社会での活用が拡大する可能性があります。
DeFi(分散型金融)での幅広い活用
現在、チェーンリンクはDeFi(分散型金融)プロジェクトで
幅広く利用されており、Aave、Synthetix、Compound などの
代表的なDeFiプロジェクトでは、価格フィードや自動化のために
チェーンリンクのデータを使用しています。
今後、チェーンリンクCCIP(クロスチェーン相互運用プロトコル)により
上記のようなDeFiプロジェクトが複数のブロックチェーンに対応可能になれば、
チェーンリンクDeFiのさらなる拡張期待ができます。