SUI(スイ)とは、Mysten Labs によって開発された レイヤー1のブロックチェーン 、
およびそのネイティブトークンです。
※レイヤー1とはブロックチェーンの基本層の事です。
SUIはWeb3やDApps(分散型アプリケーション)の開発向けに設計されたブロックチェーンで、
高いスケーラビリティ(拡張性)と低コストを特徴としています。
今回はそんなSUI(スイ)は今後どうなって行くのか、その将来性について解説いたします。
SUIとは
名称 | SUI |
ローンチ | 2023年5月 |
発行枚数 | 100億枚 |
公式サイトURL | https://sui.io/ |
取扱い取引所 | Coinbase OKX OKCoin Japan |
SUIの名前の由来は、日本語の「水」という文字からきており、
高速な取引処理と開発のしやすさを武器としています
そんなSUIは、EthereumやSolanaに代わる次世代のブロックチェーンとして注目されており、
時価総額ランキングでは16位に位置しています。
SUIの特徴
Moveプログラミング言語を採用
SUIは、Meta(旧Facebook)が開発したMoveという
プログラミング言語を使用しています。
Moveはブロックチェーン専用のプログラミング言語でありセキュリティが高く、
リソース管理がしやすい言語であり、スマートコントラクト開発の柔軟性と安全性を向上させます。
そのため、トークンやNFTなどのデジタル資産がコピー、削除されるリスクを防ぎ
不正アクセスやデータの破損を防止することができるのです。
並列処理による高速トランザクション
SUIは従来のブロックチェーンとは異なり、並列処理を採用しています。
イーサリアムをはじめとした一般的なブロックチェーンは、
トランザクションを逐次処理するため、スケーラビリティに制限があります。
ですがSUIは、トランザクションを同時並行で処理できるため、
処理速度が向上し、手数料を安くすることができるのです
この技術により、秒間数千~数万件のトランザクション処理が可能とされています。
1秒あたりの取引処理数 | 特徴 | |
---|---|---|
SUI(スイ) | 数万件 | 高速処理が可能 |
ソラナ | 3,000〜5,000件程度 | 高速&安価 |
イーサリアム | 15件程度 | 高セキュリティ |
オブジェクト中心のデータ管理
SUIは一般的なアカウントベースの管理ではなく、
オブジェクト中心のデータ構造を採用しています。
各トークンやデジタル資産をオブジェクトとして管理するため、
複雑なスマートコントラクトの処理が効率化されるのです。
この特性はNFTやゲームの資産管理に適しているため、
GameFiやメタバース分野での活用が期待されています。
SUIトークンの用途
SUIには、ブロックチェーンとして、トークンとしての様々な用途があります。
ここではSUIトークンの主な用途を紹介します。
ガス代(手数料)の支払い
SUIのガス代は低コストかつ安定しており、
ネットワーク上の取引(トランザクション)や
スマートコントラクト実行にてSUIが利用されます。
ステーキング
SUIは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の仕組みを採用しており、
トークンを保有することでステーキング報酬を得ることができます。
ガバナンス(投票権)
SUIトークンを保有していれば、
SUIネットワークの運営に関する意思決定に参加する事が出来ます。
ガバナンス投票を通じて、
プロトコルのアップグレードや新機能の追加を決定います。
DeFi(分散型金融)・NFT
SUIトークンは、SUIネットワーク上のDeFi(分散型金融)・NFTにて
活用できます。
DeFi(分散型金融)での活用
- レンディング(SUIを担保にローンを借りる)
- ステーブルコインの運用(SUIを担保にしたステーブルコインの発行)
NFT・ゲーム内通貨としての活用
- NFTの購入・取引(マーケットプレイスでの決済)
- ゲームのプレイ報酬やアイテム購入
SUIの今後
Defi市場での成長
SUIは現在、Defi市場にて急成長を遂げています。
SUIのメインネットワークはローンチからわずか1年で、
DeFi TVLランキングのトップ10に入っており、
また2024年1月からの4ヶ月間でネットワーク上の預かり資産が
10倍近く増え、現在では5億ドルを超えています。
SUIの代表的なDeFiプロジェクト |
---|
①Cetus (CETUS) :DEX(分散型取引所) |
-SUI上で最も人気のあるDEX(分散型取引所) |
②Scallop (SCA) :レンディング |
-SUIのDeFiレンディング市場を牽引するプロジェクト |
③Turbos Finance -:ステーブルコイン運用 |
-SUI上で初の分散型ステーブルコイン運用プラットフォーム |
今後SUIのエコシステムが拡大していき、機関投資家の参入が増えれば、
EthereumやSolanaに匹敵するブロックチェーンプラットフォームに
なる可能性は高いです。
USDCの発行
2024年9月には、ステーブルコインの「USDC」が導入され、
SUIのブロックチェーン上でUSDCが発行可能になりました。
これに伴い、Suiネットワーク上でのUSDCの利用がより円滑になり
DeFi(分散型金融)エコシステムのさらなる発展が期待されています。
また、SUIはアメリカの映画定額サービス大手「MoviePass」と提携し
USDCの決済システムを提供する予定を立てています。
これらの動きにより、SUI上でのUSDCの活用が一層促進され、
さらなるサービス拡大に繋がっていくでしょう。
大手企業とのパートナーシップ
SUIネットワークは、エコシステムの拡大と技術革新を目指し、
さまざまな企業と戦略的パートナーシップを構築しています。
- フランクリン・テンプルトンとの戦略的提携
2024年11月、米大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンと戦略的業務提携を締結しました。
この提携はSuiエコシステムの開発者支援を目的とし、
SUIブロックチェーンを活用した新技術の展開を進めています。
- アントグループのZANとの協力
2024年8月、アリババ傘下のアントグループのWeb3技術ブランド「ZAN」と提携し、
アジア太平洋地域でのブロックチェーン開発を推進しています。
この協力により、SUIの技術基盤を活用した新しいユースケースの開発が期待されています。
これらの戦略的パートナーシップを通じて、
SUIネットワークは多様な分野での活用を促進し、
エコシステムのさらなる成長と技術革新に繋がっていくでしょう。