仮想通貨USDT(Tether/テザー)とは?特徴やメリット、危険性について解説

仮想通貨銘柄

今回紹介するUSDT(Tether/テザー)は世界で初めての
ステーブルコインです。

ステーブルコインとは、法定通貨などの資産に連動し、
価格が安定するように設計された暗号資産(仮想通貨)のことです。

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)をはじめとした
暗号資産(仮想通貨)は、ボラリティ(価格の変動幅)が高く
安定性や決済手段の実用性に欠けます。

その点USDTは価格が安定しており、決済手段として
利用しやすく、現在仮想通貨市場で最も利用されているステーブルコインとなっています。

今回はそんなUSDTが持つ特徴やメリット、リスクについて
解説いたします。

USDT(Tether)とは

名称USDT/テザー
ローンチ2015年2月
価格1USDT=1USD(1ドル)
発行元Tether Limited社
国内取扱い取引所無し

USDT(Tether)は、2015年2月にTether Limited社によって発行された
世界初のステーブルコインで、米ドルの価格に連動するように設計されています。

また、USDT(Tether)は多くの仮想通貨取引所で利用されており、
時価総額ランキングでは3位にランクインしています。

USDT(Tether)の特徴

米ドルの価格に連動している

USDTは法定通貨の米ドルによって、価値が裏付けられており、
1USDT=1USD(1米ドル) となるように設計されています。

またUSDTは「法定通貨担保型」のステーブルコインであり
価値の裏付けの方法として、実際に発行分と同等の準備金(米ドルや現金同等物)
保有し、担保にしています。

これにより、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のように
価格が大きく変動せず、安定させることができるのです。

さまざまなブロックチェーン上で発行

基本仮想通貨が基盤とするブロックチェーンは単一のものですが、
USDTは複数のブロックチェーンで発行されています。

USDTが発行されている主なチェーン

  • Ethereum(ERC-20) → セキュリティが高いが、手数料が高い(ガス代)
  • Tron(TRC-20) → 手数料が安く、送金が速い(人気が高い)
  • Binance Smart Chain(BEP-20) → Binanceエコシステム向け
  • Solana、Avalanche など → 高速な送金が可能

このようにUSDTを用途や送金コストに応じて選択することができます。

法定通貨として採用

USDTは仮想通貨でありながら、その安全性と利便性が評価され、
一部の国では法定通貨として採用がされています。

2022年3月にはスイスのルガーノ市がUSDTを事実上の法定通貨の一つとして採用し、
市内での買い物や税金の支払い、公共サービスの利用料の支払いにUSDTが使用可能となりました。

この事例をきっかけに、今後他の地域や都市でも採用が進む可能性があります。

USDT(Tether)のメリット

価格が安定している

よく仮想通貨に関するニュースで、価格の急騰や暴落のニュースを
耳にすると思いますが、USDTはドルの価格に連動しているので
ボラリティ(価格の変動幅)が非常に小さいです。

そのため、決済手段として実用性が高く、長期保有する場合でも、
資産価値を保つことができます。

幅広い取引所で利用可能

日本国内の取引所ではあまり普及していませんが、
大半の海外取引所ではUSDTを取引するとこができ、
また基軸通貨としても採用されています。

これにより価格変動が激しい仮想通貨を、価格が安定しているUSDTに
換えて、長期保有することができるのです。

また、日本円で仮想通貨を購入するのと同じように、
取引所で仮想通貨を購入する資金としてUSDTを保有しておくこともできます。

流動性マイニングに使用

USDTはDEX(分散型取引所)での、流動性マイニングに利用することができます。

流動性マイニングとは、仮想通貨をDEXなどの
流動性プールに預けることで流動性を提供し、報酬を得る仕組みです。

流動性マイニングを行う際は通常、相場の変動により損失が発生する可能性があります。

ですがUSDTだと価格変動が少ないので安定した収益を得ることができます。

USDT(Tether)のリスク

発行元(Tether社)の透明性リスク

USDTはTether社によって発行・管理される中央集権的な通貨です。

そのため、ビットコインやイーサリアムなどの非中央集権性を持つ通貨に比べて
透明性に欠けます。

前述したようにUSDTは1USDT=1USD(1米ドル) となるように設計されていますが、
Tether社が全額の準備金(米ドルや資産)を実際に保有しているのかについては、
以前から疑問視されています。

2021年には、Tether社が米国の規制当局(CFTC)から「準備金の証拠を誤解させた」として罰金を科されたこともあるのです。

そのため、今後USDTの透明性が疑問視された場合に安定が崩れ、
1USDT=1USD(1米ドル)ではなくなる可能性があります。

規制リスク

現在世界的に普及しているUSDTですが、
一部の国の政府により、ステーブルコインに対する規制がかかるリスクがあります。

またUSDTを発行しているTether社が規約違反を起こし
規制がかかる可能性もあります。

銀行危機や金融不安が影響

先ほど説明した、Tether社の準備金には、短期国債や社債も含まれているのですが、
金融市場が大きく不安定になった場合、
USDTの安定性にも影響を与える可能性があります

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