近年、暗号資産(仮想通貨)が盛り上がっており、
数々の新しい仮想通貨が誕生していますが、
その中でも、圧倒的な知名度と人気を誇る「ビットコイン(BTC)」と「イーサリアム(ETH)」。
暗号資産の時価総額ランキングでも1位、2位にランクインしており、
暗号資産の代表格となっています。
2024年にはビットコインとイーサリアムともに米国でETFが承認され
投資家からも注目を集めています。
仮想通貨としての価値が高く、多くの人が投資している
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)ですが、
その目的や技術的な特徴に大きな違いがあります。
そこで今回はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の違いや、
お互いのメリットなどを紹介いたします
ビットコイン(BTC)とは
名称 | ビットコイン/BTC |
ローンチ | 2009年 |
発行枚数 | 2100万枚 |
時価総額ランキング | 1位 |
公式サイトURL | https://bitcoin.org/ja/ |
取扱い取引所 | Coincheck bitbank GMOコイン 楽天ウォレット |
ビットコイン(BTC)は2008年に「サトシ・ナカモト」という
匿名の人物またはグループによって提案され、2009年に運用が開始されました。
誕生した当時は、1円未満の価値でしたが、
2025年には10万ドルを突破しており、
暗号資産の時価総額ランキングでも、2位のイーサリアムに大差をつけ、
1位となっています。
イーサリアム(ETH)とは
名称 | イーサリアム/イーサ/ETH |
ローンチ | 2015年7月30日 |
発行枚数 | 上限無し |
時価総額ランキング | 2位 |
公式サイトURL | https://ethereum.org/ja/ |
取扱い取引所 | Coincheck Coincheck GMOコイン 楽天ウォレット コイントレード |
イーサリアムは、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)
によって構想され、その後開発、公開されました。
一般的によく言われるイーサリアムとは仮想通貨「イーサ(ETH)」の事で、
イーサリアムチェーンの基軸通貨となっています。
※イーサリアムはブロックチェーンの名称です。
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の主な違い
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の違いを簡単にまとめるとこのようになります。
項目 | ビットコイン(BTC) | イーサリアム(ETH) |
---|---|---|
創設者 | サトシ・ナカモト | ヴィタリック・ブテリン |
リリース年 | 2009年 | 2015年 |
主な目的 | 価値保存・決済 | スマートコントラクト・DApps |
ブロック生成時間 | 約10分 | 約12秒 |
供給上限 | 2100万BTC | なし(供給調整あり) |
コンセンサスアルゴリズム | PoW(プルーフ・オブ・ワーク) | PoS(プルーフ・オブ・ステーク) |
スマートコントラクト | 不可 | 可能 |
手数料(ガス代) | 比較的安定 | 需要により変動(高騰することも) |
ここからはそれぞれの違いを具体的に説明していきます。
①目的と用途の違い
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)はどちらも代表的な仮想通貨ですが、
その目的や技術的な特徴に大きな違いがあります。
ビットコイン(BTC)
ビットコインは「デジタルゴールド」とも呼ばれ、
価値の保存や決済手段としての役割を持っています。
ビットコインの主な目的は、
中央集権的な管理者が存在しない分散型のデジタル通貨として、
価値の保存や取引の手段を提供することです。
既存の銀行や政府に依存せず、国境を越えて利用できる通貨を目指しています。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムは単なる通貨ではなく、スマートコントラクトという
プログラムを実行できるプラットフォームです。
スマートコントラクトとは、特定の条件が満たされた場合に
自動的にトランザクションを実行する仕組みの事です。
スマートコントラクトはよく自動販売機に例えられます。
「お金を投入し、欲しい商品のボタンを押す」といった条件が満たされた場合に
「自動的にその商品が中から出てくる」という設定されたプログラムが実行されます。
スマートコントラクトはこのプログラムをブロックチェーン上で行なっています。
中央管理者なしでプログラムを行えることから、
スマートコントラクトは透明性と信頼性に優れています。
これにより、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)などの
さまざまなアプリケーションを構築するプラットフォームとして機能しています。
②供給上限
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、
それぞれ異なる供給モデルを持っており、供給上限に大きな違いがあります。
ビットコイン(BTC)
ビットコイン(BTC)は発行上限が2,100万BTC に固定されており、
これ以上発行することはできません。
これにより、インフレ(価値の低下)が起こりにくく、
希少性を保つことができます。
これがビットコイン(BTC)が「デジタルゴールド」と呼ばれる要因の一つです。
またビットコインには半減期が存在します。
新しいビットコインはマイニング(採掘)によって発行されるのですが、
半減期にはマイニング報酬が減り、新規供給が減少します。
そのため、約4年ごとにおこる「半減期」は
ビットコインの価格上昇の要因になります。
イーサリアム(ETH)
イーサリアム(ETH)はビットコインと違い、発行枚数の上限が定められていません。
そのためETHの供給量はビットコインと比べてかなり多いですが、
Proof of Stake(PoS) に移行したことで
マイニングでETHが供給される事が無くなり、新規ETHの発行量が大幅に減少しています。
またバーン(焼却)メカニズム により、
一部のETHが永久に消滅する仕組みが導入されています。
これによりETHの流通供給量が減少し、トークンの希少性が高まる可能性があります。
③コンセンサスアルゴリズムの違い
ビットコイン(BTC)
ビットコインはコンセンサスアルゴリズムに「Proof of Work(PoW)」を採用しています。
PoWの仕組み
- マイナーが計算競争(マイニング)を行い、新しいブロックを生成。
- ハッシュ計算を解いた最初のマイナーがブロックの承認権を得る。
- 承認されたマイナーは報酬を受け取る。
PoWはセキュリティ性が高く分散型ネットワークを維持できるのが特徴ですが、
膨大な計算に大量の電力を消費するため、環境負荷が大きいのがデメリットです。
イーサリアム(ETH)
イーサリアム(ETH)は元々Proof of Work(PoW)を採用していましたが、
環境への配慮などの理由で
現在はコンセンサスアルゴリズムに「Proof of Stake(PoS)」を採用しています。
PoSの仕組み
- コインを「ステーク」(担保として預ける)することで、
バリデーターとしてブロックを承認する権利が与えられます。 - バリデーターは、ブロックを承認することで報酬としてETHを得ることができます。
PoSの特徴として環境にやさしいことや、取引を迅速に処理できることがありますが、
コインを多く持っている人がバリデーターとして選ばれやすく、
富が集中するリスクがあるのがデメリットです。
ビットコイン(BTC)がおすすめな理由
世界初の暗号資産である
ビットコインは世界で最初に誕生した仮想通貨です。
世間の認知でも「仮想通貨(暗号資産)=ビットコイン」となっているでしょう。
時価総額を見てもそうですが、ビットコインは市場での信頼とブランド力を持ち、
最も多くの取引量とユーザーを誇ります。
これから仮想通貨を始める方は、まずビットコインを取引するのをおすすめします。
価値の保存手段としての役割
先ほど説明した通り、ビットコインはその希少性から「デジタルゴールド」とも呼ばれており、
一部の国では法定通貨としても採用されています。
価値の保存手段として注目されており、個人だけでなく大手企業までもが
ビットコインを保有しています。
ビットコインの需要は今も高まっており、さらに世界に普及していくでしょう。
イーサリアム(ETH)がおすすめな理由
スマートコントラクトとDAppsの基盤
イーサリアムは最大の特徴である
スマートコントラクトとDApps(分散型アプリケーション)のプラットフォームであることにより、
多数のDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)のプロジェクトが開発されています。
イーサリアムはブロックチェーンプラットフォームとして圧倒的なシェアを誇り、
その地位を確立しています。
今後イーサリアム上のサービスが増えていくにつれ、
ETHの需要も増し、価格も上昇していくでしょう。
ネットワークの大規模な採用
イーサリアムは、世界中の多くの企業、開発者、個人によって利用されており、
利用者数や開発者数が非常に多いことが特徴です。
また、多くの企業がイーサリアムベースのブロックチェーンを採用しており、
提携企業も数多く存在します。
- Microsoft
- 三菱東京UFJ銀行
- KDDI
- JPモルガン
大手企業との提携はイーサリアムをさらに普及することになり、
需要増加につながるでしょう。
まとめ|BTCとETHの違いとは?
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、どちらも暗号資産を代表する存在ですが、
目的や仕組みには明確な違いがあります。
- ビットコイン(BTC)は「価値の保存・決済」に特化したデジタルゴールド。
- イーサリアム(ETH)は「スマートコントラクトやアプリ開発」に使われる
ブロックチェーンプラットフォーム。
どちらが優れているというよりも、用途に応じて選ぶことが大切です。
長期的に資産を保有したいならビットコイン、ブロックチェーン技術に投資したいなら
イーサリアムが向いています。
仮想通貨の理解を深め、自分に合った投資スタイルを見つけましょう。