仮想通貨の世界では「DeFi(分散型金融)」が広く知られる一方で、
最近では「SocialFi(ソーシャルファイ)」という新しいトレンドが注目を集めています。
両者はブロックチェーン技術を活用していますが、目的や仕組みは大きく異なります。
この記事では、SocialFiとDeFiの違い・活用方法・将来性を初心者向けにわかりやすく解説します。
さらに、投資先としての魅力や注意点も紹介します。
DeFiとは?
概要
DeFi(Decentralized Finance)は、中央管理者を介さずに金融サービスを利用できる仕組みです。
銀行口座や証券会社がなくても、仮想通貨ウォレットひとつで融資・預金・取引などが可能になります。
代表的なプロジェクト
- Aave(アーベ):仮想通貨を貸し借りできるレンディングプラットフォーム
- Uniswap(ユニスワップ):自動マーケットメーカー(AMM)型の分散型取引所
- MakerDAO(メーカーダオ):ステーブルコイン「DAI」を発行するプロジェクト
特徴
- 銀行不要でグローバルに利用可能
- 高利回りのステーキングやファーミングが可能
- ハッキングや規制リスクには注意が必要
SocialFiとは?
概要
SocialFiは「Social(ソーシャル)+Fi(ファイナンス)」の略で、
SNS機能と金融を組み合わせた次世代のWeb3サービスです。
クリエイターやユーザーが発信・交流するだけでなく、トークンを通じて収益化できるのが大きな特徴です。
代表的なプロジェクト
- Friend.tech:SNSのアカウントをトークン化し、売買できるプラットフォーム
- Galxe(ギャラクシー):Web3コミュニティ活動を「報酬」に変える仕組みを提供
- Lens Protocol:分散型SNSの基盤となるプロジェクト
特徴
- フォロワーやコンテンツを直接マネタイズ可能
- コミュニティ参加者全員が経済圏に参加できる
- 初期段階のため価格変動が大きくリスクも高い
SocialFiとDeFiの違いを比較
項目 | DeFi | SocialFi |
---|---|---|
主な目的 | 金融サービスの分散化 | SNS+経済圏の構築 |
ユースケース | レンディング、取引、ステーキング | コンテンツ収益化、コミュニティ形成 |
利用者層 | 投資家・トレーダー | クリエイター・一般ユーザー |
成熟度 | 既に一定の普及あり | まだ初期段階、成長余地大 |
リスク | ハッキング・規制 | 流行依存・トークン暴落 |
DeFiとSocialFiは、どちらもブロックチェーンを活用していますが、目的や利用シーンは大きく異なります。
DeFiはすでに実用化が進み、金融サービスの新しい形として普及段階にあります。
一方、SocialFiはまだ発展途上ながら、SNSと経済圏を融合させた新しい可能性を秘めています。
投資や利用を検討する際は、安定性を取るならDeFi、成長性を狙うならSocialFiと考えるとイメージしやすいでしょう。
SocialFiとDeFiの活用方法
DeFiの活用
ステーブルコインを預けて利息を得る
米ドルと連動したステーブルコイン(USDCやUSDT)をDeFiのレンディングサービスに預けると、
銀行の定期預金よりも高い利回りが得られることがあります。
たとえばAaveやCompoundでは、年率数%〜十数%の利息を得られるケースもあり、低リスク運用を目指す人に人気です。
ETHやBTCを担保に仮想通貨を借りる
保有しているイーサリアムやビットコインを担保に入れて、別の仮想通貨やステーブルコインを借りられます。
たとえば、ETHを手放さずに現金化が必要な場合でも、担保にすることで資産を保持しながら流動性を確保できます。
ただし担保価値が下落すると強制清算されるリスクがあるため注意が必要です。
分散型取引所で低コスト取引を行う
Uniswapのような分散型取引所(DEX)では、中央の管理者がいないため、
口座開設や本人確認なしで仮想通貨を交換できます。
手数料は従来の取引所より低く、取引スピードも速いのが特徴です。
さらに流動性提供者として資金を預ければ、手数料収入を得ることも可能です。
SocialFiの活用
自分の発信をトークン化して収益化
SocialFiでは、SNSアカウントや投稿を「トークン化」し、売買可能にする仕組みがあります。
たとえばFriend.techでは、ユーザーの「鍵(Key)」を購入することで、その人の限定チャットや特典に参加できます。
フォロワーが増えるほどトークン価値が上昇し、発信そのものが収益につながります。
人気クリエイターのトークンを購入し価値上昇を狙う
SocialFiは、いわば「人への投資」も可能です。
人気クリエイターのトークンを早い段階で購入すれば、その人の影響力が拡大するほど価格が上昇し、
売却益を得られるチャンスがあります。
これは株式投資の「成長株」に近い感覚で参加できるのが特徴です。
コミュニティ活動に参加して報酬を得る
GalxeのようなSocialFiプラットフォームでは、
イベント参加やクエスト達成といったコミュニティ活動に応じてトークン報酬がもらえます。
従来のSNSでは「いいね」や「フォロー」が報酬につながりませんでしたが、
SocialFiでは参加そのものが収益に変わる仕組みが整っています。
初心者でも「参加するだけでトークンがもらえる」仕組みから始めやすいのが魅力です。
それぞれの将来性
DeFiの将来性
DeFiはすでに一定の利用実績があり、今後の発展も見込まれています。
特に注目されているのは次のポイントです。
規制との融合
世界各国で仮想通貨規制が進む中、DeFiも「透明性の高い金融インフラ」として認められる方向に動いています。
政府や金融機関と連携すれば、DeFiが従来の金融システムを補完する存在になる可能性があります。
ステーブルコインの拡大
米ドルに裏付けられたステーブルコインはすでに世界中で利用されており、決済や送金の手段として普及しています。
今後は国際送金や新興国市場でも需要が高まり、DeFiの基盤としてさらに強固になるでしょう。
伝統金融との架け橋
銀行や証券会社もブロックチェーンを取り入れ始めており、DeFiの仕組みと組み合わせることで、
資産運用やローンの新しい形が誕生すると考えられます。
つまりDeFiは「実験段階を超えて、既存の金融に食い込んでいく」フェーズに突入しつつあります。
SocialFiの将来性
SocialFiはまだ黎明期にあり、成功と失敗の分岐点に立っているとも言えます。
しかし、うまく成長すればWeb3の代表的なユースケースになる可能性があります。
クリエイターエコノミーの拡大
従来のSNSは広告収入に依存していましたが、SocialFiではクリエイターがフォロワーと直接経済圏を築けます。
YouTubeやXに代わる「新しい収益プラットフォーム」として拡大する余地は大きいです。
ファン経済の強化
ファンが推しクリエイターのトークンを購入することで、単なる応援を超えて「投資」に変わります。
NFTやメタバースと組み合わせることで、ファンコミュニティ全体が経済的に成長する可能性もあります。
Web3の入り口としての役割
従来のDeFiは投資家向け色が強いですが、SocialFiはSNSに近いため、
一般ユーザーが最初に触れるWeb3サービスになりやすいです。
新規ユーザーを大量に取り込めれば、次世代SNSのスタンダードになる可能性があります。
まとめ:投資するならどっち?
- 安定性を重視するならDeFi
→ ステーブルコインを活用した運用や分散型取引所は堅実な選択肢 - 成長性を重視するならSocialFi
→ まだ黎明期でリスクは大きいが、早期参入で大きなリターンを狙える可能性
どちらも将来性はありますが、初心者はまず国内の大手取引所(CoincheckやbitFlyerなど)で口座を開設し、
ビットコインやイーサリアムを購入してから、DeFi・SocialFiに挑戦すると安全です。