海外取引所へ暗号資産を送金できない場合、原因はほぼ「入力ミス」か「ネットワーク不一致」か「取引所側の制限(入金停止・KYC・凍結)」のどれかです。
焦って何度も送ると資産を失うリスクが上がるため、最短で原因を切り分ける順番で確認します。
結論:送金できない原因
送金エラーの大半は次の5カテゴリに収束します。
- ネットワーク(チェーン)を間違えた(例:ERC20で出すべきところをBEP20で出した等)
- アドレス/形式が違う(コピペ崩れ、先頭末尾欠落、アドレス種別違い)
- タグ/メモ(Destination Tag・Memo)を入れていない(XRP・XLMなど)
- 取引所側が入金停止/メンテ中(対象銘柄・対象ネットワーク)
- 本人確認(KYC)や出金制限・セキュリティ未設定(2FA未設定等)
このあと、症状別に最短ルートで潰します。
送金前に必ず確認する「最短チェックリスト」
送金ボタンを押す前に、最低限ここだけ確認してください。
- 送金元(国内/ウォレット)と送金先(海外取引所)のネットワーク名が一致している
- 送金先アドレスを取引所の入金画面からコピーして貼った(手入力しない)
- タグ/メモが必要な銘柄は入力した(XRP/XLM等)
- 海外取引所の入金画面に「入金停止」「メンテナンス」表示がない
- 送金元の出金条件(2FA・出金許可設定・出金上限・KYC)を満たしている
- 初回は少額テスト送金(これが一番強い)
症状別:海外取引所に送金できない時の原因と解決
ここからは「今どこで止まっているか」で分岐します。
送金ボタンが押せない
よくある原因
- 送金元の本人確認(KYC)が未完了
- 2段階認証(2FA)が未設定
- 出金先アドレスのホワイトリスト登録が必要
- 出金上限に達している(24時間上限など)
- 銘柄/ネットワークが出金停止・メンテ中
- 残高不足(手数料分を含めて不足)
解決手順
- 送金元の「本人確認状況」「2FA」「出金制限」を確認
- 出金先アドレス登録が必要な場合は登録し、反映時間を待つ(即時でない場合あり)
- 銘柄ページで「出金停止」表示がないか確認
- 手数料込みで残高が足りるか確認
- それでも不可なら、別の銘柄に変える(後述)
送ったのに着金しない
このパターンが最も多いです。まずは「トランザクション(TxID)」を確認します。
ステップ1:TxID(トランザクションID)を取得する
送金元の履歴から、対象の出金に紐づく TxID を開きます。
TxIDが出ているなら、基本的に「どこかのチェーン上では動いている」状態です。
ステップ2:ブロックチェーン上でステータスを見る
- Success(成功):チェーン上では送金完了。次は「入金先の認識待ち」か「情報不足(タグ等)」
- Pending(保留):混雑やガス不足など。時間経過で解消することが多い
- Failed(失敗):送金自体が失敗。多くは送金元に戻るか、失敗扱いで反映されない
ネットワーク違い
典型例
- 入金先で選んだネットワークと、送金元で選んだネットワークが違う
- 例:入金先は ERC20 なのに、送金元は BEP20 / BSC で出した
なぜ危険か
ネットワークが違うと、入金先が自動認識できず、資産が宙に浮きます。
取引所がそのネットワークに対応していなければ、復旧が困難です(復旧手数料が高額、または不可)。
対処
- 入金先がそのネットワークに対応している場合:サポートにTxIDと状況を提出して復旧依頼
- 対応していない場合:原則、復旧は難しい(復旧可否は取引所や保管形態による)
再発防止:
送金前に、必ず「入金画面でネットワークを選ぶ → 表示されたアドレスをコピー → 送金元で同じネットワークを選ぶ」の順で統一してください。
タグ・メモ漏れ
該当しやすい銘柄
- XRP(Destination Tag)
- XLM(Memo)
- ほか、取引所によってタグ必須の銘柄
症状
- チェーン上ではSuccessなのに、海外取引所に反映されない
解決
- 海外取引所のサポートへ「入金未反映(タグ欠落)」として申請
- 必要情報は通常この5点です
- 銘柄
- 入金先アドレス
- 本来入れるべきタグ/メモ
- TxID
- 送金日時と数量
取引所によっては復旧に時間がかかり、手数料が取られる場合があります。
入金停止・メンテ
どこを見るか
- 海外取引所の入金画面に「Suspended」「Maintenance」等の表示
- 公式ステータスページ/アナウンス
対処
- 停止解除を待つのが基本
- どうしても急ぐなら、入金可能な別ネットワーク/別銘柄に切り替える(次章)
急ぐ人の回避策
「今すぐ海外取引所に資金を移したい」場合、原因特定に時間がかかることがあります。
そのときは、対応ネットワークが多く手数料も安定しやすい銘柄での送金に切り替えるのが現実解です。
回避策の考え方
- タグ/メモ必須銘柄は、初心者は事故りやすい
- ネットワークが多すぎる銘柄も、選択ミスが起きやすい
- 取引所の「入金対応ネットワーク」が一致していることが絶対条件
※どの銘柄が最適かは「送金元と送金先が共通で対応しているネットワーク」に依存します。ここを外すと同じ事故が再発します。
送金を失敗しないための正しい手順
入金側で「銘柄」と「ネットワーク」を先に決める
入金先で選んだネットワークが正解です。ここが基準になります。
入金アドレスをコピー
スクショ保存も推奨です(トラブル時の証跡になります)。
送金側で「同じネットワーク」を選ぶ
ネットワーク名が似ていても別物です。文字列を合わせます。
初回は少額テスト送金
着金確認後に本送金が最も安全です。
TxIDを保管して着金まで待つ
問題が起きたとき、TxIDがないとサポートが進みません。
それでも解決しない場合
海外取引所/送金元どちらに問い合わせる場合も、以下を揃えると往復が減ります。
- 取引所名(送金元/送金先)
- 銘柄
- 送金数量
- 送金日時(日本時間)
- 送金先アドレス
- ネットワーク名
- タグ/メモ(該当する場合)
- TxID(トランザクションID)
- 送金履歴のスクリーンショット
よくある質問(FAQ)
- Q送金が「完了」表示なのに着金しません。詐欺ですか?
- A
詐欺と断定はできません。多くはネットワーク混雑、取引所側の入金処理遅延、タグ/メモ漏れ、入金停止が原因です。まずTxIDでSuccessか確認してください。
- Qネットワークを間違えました。戻せますか?
- A
相手(取引所)がそのネットワークに対応し、復旧手続きが用意されている場合は可能性があります。対応していない場合は難しいことがあります。
- Qタグ/メモを入れ忘れました。資産は消えますか?
- A
多くの場合、チェーン上には到達しています。取引所のサポート手続きで復旧できることがありますが、時間と手数料がかかる場合があります。
- Q送金先アドレスは毎回変わりますが問題ありませんか?
- A
取引所によっては入金アドレスが変わることがあります。必ず「その時点の入金画面」からコピーしてください。過去アドレス流用は避けてください。
- Q送金手数料を安くしたいです。最優先は何ですか?
- A
最優先は「送金元と送金先のネットワーク一致」です。安さだけで選ぶと、ネットワーク不一致で資産を失うリスクが上がります。
まとめ:海外取引所に送金できない時は「順番」がすべて
- まずTxIDで「チェーン上で成功しているか」を確認
- 次に「ネットワーク一致」「タグ/メモ」「入金停止」を潰す
- 急ぐなら、対応ネットワークが共通の別銘柄でテスト送金
- サポートに出すなら、TxIDとスクショを揃える

